「アーモンド入りチョコレートのワルツ」 
森 絵都 角川文庫
シューマン、バッハ、サティ、三つのピアノ曲のやさしい調べにのせて、多感な少年と少女の二度と戻らない「あのころ」に語りかける珠玉の短編集。
ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他。
少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、
行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。
シューマン、バッハ、そしてサティ。やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくる短編集。
ぜひそれぞれを聞きながら読んで欲しい、ほんとにキュンキュンきます。
三園小 峯 敦