★会長の100冊読書(H23) 会長の100冊読書(21)『人魚の嘆き・魔術師』 2011年8月6日 人魚の嘆き・魔術師 谷崎潤一郎 文章の鬼 谷崎潤一郎の短編二編である。特に「春琴抄」や「細雪」ではどうも敷居が高いという向きには特にお勧めの二作品。 無論、子供向けの御伽噺ではない。 初期の作品だと解説にあるが、簡潔かつ流麗な文章と巧みな構成は、さすがに谷崎作品である。 後に耽美派の雄としての作者の出発点は、この短編からも十分に読んで掬い取ることが出来よう。 ビアズレー風の挿絵もこの作品と良くマッチしている。 上板橋小 浅川 英治