板橋区立小学校PTA連合会

会長の100冊読書(20)『星の航海術をもとめてホクレア号の33日』

星の航海術をもとめてホクレア号の33日

ウィル・クセルク著 加藤 晃生訳原題「AN OCEAN IN MIND」
方位磁石発見以前、人類が海上での航海を開始したときに一体何を目安に自分の位置を認識したのだろうか?
それは海洋民ポリネシアンに太古から伝わる「スターコンパス」つまり、北極星と太陽の昇りと沈みの時刻、星座や目標星の高さから自己の位置を算出する技術だった。
この物語はハワイ大学の考古学チームがポリネシアの伝説的航海士 マウ・ピアイルック、ハワイ ビショップ博物館プラネタリウム館長ナイノア・トンプソン氏らと著者とが実際に当時のカヌーを用いて実験的航海を行った33日間の記録である。
輝く太陽と月、銀の粒のような星座と満天の天の川、物語全編にそよぎ渡る南西太平洋の海風を感じるすばらしい一冊。
船乗りでもある私が持っていた疑問は本書によってことごとく晴れていく。

上板橋小 浅川 英治

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