板橋区立小学校PTA連合会

会長の100冊読書(21)『人魚の嘆き・魔術師』

人魚の嘆き・魔術師
谷崎潤一郎
文章の鬼 谷崎潤一郎の短編二編である。特に「春琴抄」や「細雪」ではどうも敷居が高いという向きには特にお勧めの二作品。 無論、子供向けの御伽噺ではない。
初期の作品だと解説にあるが、簡潔かつ流麗な文章と巧みな構成は、さすがに谷崎作品である。
後に耽美派の雄としての作者の出発点は、この短編からも十分に読んで掬い取ることが出来よう。
ビアズレー風の挿絵もこの作品と良くマッチしている。

上板橋小 浅川 英治

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