板橋区立小学校PTA連合会

会長の100冊読書(4)『永遠のゼロ』

「永遠のゼロ」   作:百田 尚樹
今まで数多くの小説は読んできましたが、戦争ものというジャンルにはなかなか手が伸びないでいました。そんな中、仕事関係の研修会に行って、昼休みに気まぐれで手にした一冊です。ページをめくるまで気が進まなかったのですが、冒頭からいきなり本の中に引きずり込まれたような感覚です。ちなみにタイトルの「ゼロ」とは、日本の名機と名高い「ゼロ戦」の事です。
時は現代、司法試験を目指す佐伯健太郎なる青年が、ひょんなことから姉と一緒にかの太平洋戦争にて戦死した祖父、久蔵の事を調べ始めました。 当時、兵隊は皆、お国のために死ぬことを誇りに思っていました。そんな中、健太郎の祖父は大変な凄腕パイロットにも関わらず、生への執着は鬼気迫るものがありました。どんなに周りに嘲弄されようと、独りになっても帰還してきました。それは国に残してきた妻と子に会いたいとの一念からでした。そんな久蔵が自ら志願して生還率「ゼロ%」の特攻隊員となって、米艦へ突入していったのです。終盤で、「日本は民主主義の国となり、平和な社会を持った。高度経済成長を迎え、人々は自由と豊かさを謳歌した。しかしその陰で大事なものを失った。戦後の民主主義と繁栄は日本人から道徳を奪った」との一文が心に残りました。
近年、面白い本はたくさんありましたが、ここまで涙なしには読むことができなかった本も久しく出会っていません。多くの日本人、特に若い世代の方々に是非とも呼んでいただきたい本です。
舟渡小   森 剛

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